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【建設業向け】標準見積書とは?書き方・メリット・注意点を徹底解説!

2025.05.22
法・制度

建設業界では 2024 年の担い手3法改正(建設業法・入契法・品確法)の流れを受け、「見積もりの透明化」と「労務費の確保」がこれまで以上に強く求められています。国土交通省が推奨する 標準見積書 は、その2大課題を同時に解決できるツールとして注目度が急上昇中です。

本記事では、標準見積書の基礎知識から具体的な書き方、さらに提出・交渉までの活用術を一気通貫で解説します。これ1本で、他サイトを見なくても実務に落とし込めるレベルを目指しました。

なぜ今、見積もりの「標準化」が求められるのか?

担い手不足を背景に、下請への過度な値引きや「歩切り」(一律○%カット)などの慣行が依然として残っています。適正な労務費を確保し処遇を改善するには、内訳を明示した標準様式が不可欠です。

標準見積書が解決のカギ?

元請・下請間で「何にいくら掛かるのか」を共通言語で示せるため、値引き交渉の根拠なき圧力を防ぎ、対等な協議を実現します。

この記事で分かること:標準見積書の全て

  • 1.定義と背景
  • 2.使うメリット・使わないリスク
  • 3.項目別の書き方
  • 4.提出・交渉のコツ
  • 5.社内原価管理への応用

標準見積書とは?基本を理解する

この章では、標準見積書そのものが何か、なぜ国土交通省が推奨しているのかを押さえます。

標準見積書の定義

標準見積書は、国土交通省が各業界団体と協力し作成した見積書の標準様式で、工事原価を「直接工事費」「共通仮設費」「現場管理費」「一般管理費」などの項目に分け、労務費・資材費・法定福利費まで明示できます。

推奨される背景と目的

  • 労務費・法定福利費を“見えやすく”し、しわ寄せを防止
  • 元請・下請の対等な関係を築き、ダンピング(不当な値引き)を抑制
  • 見積根拠が残るため、公共・民間を問わず契約トラブルを未然に防止

標準見積書の様式はどこで手に入る?

国交省サイト「各団体が作成した標準見積書」からダウンロード可能です(Excel/PDF)。

※参考:各団体が作成した標準見積書

なぜ標準見積書が必要か?~メリットとリスク~

ここでは、使う側の「得」と、使わない場合に潜む「損」を具体的に比較します。

標準見積書を活用するメリット

視点具体的効果補足説明
透明性の向上内訳が一目で分かるため、価格の妥当性を説明しやすい発注者・元請・下請・金融機関等、どのステークホルダーにも共通言語
交渉力の向上労務費・法定福利費を金額で提示でき、根拠なき値引き要求に対抗しやすい標準労務費の引用で更に説得力アップ
適正価格の確保必要経費を漏れなく計上でき、赤字受注リスクを回避担い手確保・働き方改革にも直結
コンプライアンス建設業法・下請法に沿った取引姿勢を示せる監督官庁・建設Gメンのチェックにも対応しやすい

標準見積書を使わない場合のリスク

  • 内訳不明で値引き対象になりやすい
  • 不当な低価格受注→労務費しわ寄せ→法令違反の連鎖
  • 監査・建設Gメン調査で根拠不足を指摘される可能性

など

標準見積書の書き方徹底解説

実際の様式に沿って、主要項目の入力手順や注意点を解説します。

様式の全体像と基本構成

標準見積書は大きく「基本情報」→「直接工事費」→「共通費」→「消費税等」の流れで構成されます。

工事名称・場所・工期など基本情報

工事名称は契約書と一致させ、工期欄には予備日を含めたカレンダー日数を記載。

直接工事費

  • 材料費:設計図書・歩掛りで数量を算出し、市場単価を反映
  • 労務費:職種別標準労務費×必要人工数で計算
  • 直接経費:機械損料・諸雑費・交通誘導員費などを積み上げ

共通費(現場管理費・一般管理費等)

  • 現場管理費:法定福利費、安全衛生経費、現場事務所経費など
  • 一般管理費等:会社全体の管理費(現場帰属分)を按分

法定福利費(内訳として明示する場合)

健康保険・厚生年金・雇用保険・労災上乗せ保険等の事業主負担分を明示。「見える化」することで値引き対象外を強調できます。

値引き・調整額の記載

どうしても値引きする場合は根拠(工法変更・VE提案など)を明示し、「労務費・法定福利費は減額しない」旨を記載。

その他特記事項

特定専門工事協議、残土処分先、再資源化計画など契約条件に影響する情報を追記。

標準見積書の活用術|提出から交渉まで

作成した標準見積書を最大限に活かす具体策を示します。

元請業者への提出時のポイント

  • 内訳根拠を添付(資材単価表・標準労務費表)し、担当者の理解を得る
  • 労務費・法定福利費は最優先費目と伝え、値引き対象外を双方で確認

発注者(施主)への提出時のポイント

  • 専門用語は極力避け、「安全を守るコスト」「社会保険料の義務」といった平易な表現で説明
  • 価格変動リスク(資材高騰)の協議条項も合わせて提案し、後々の追加協議をスムーズに

価格交渉での活用法

  • 標準見積書を“交渉テーブルの共通資料”にし、抜け落ちた費用を洗い出してから価格調整
  • 譲れないライン(労務費・法定福利費)を明確化し、代替案(工法変更等)でWin‑Winを模索

社内での活用

  • 部門ごとにバラつきがあった見積フォーマットを標準化し、原価管理を一本化
  • 受注前後で数値比較することで、原価低減のPDCAを回しやすくなる

標準見積書で適正な取引と持続可能な経営を

標準見積書は「面倒な書式」ではなく、適正価格で勝負できる武器です。ダンピングを避け適正利潤を確保できれば、労働者の処遇改善・技術継承・働き方改革の原資が生まれ、結果として会社の競争力が高まります。業界全体の健全化にも直結するため、ぜひ前向きに導入してください。

標準見積書活用の重要性(再確認)

  • 透明性・交渉力・コンプライアンスと三拍子そろった実務ツール
  • 建設Gメンのチェックに備える“保険”としても有効

建設事業者へのメッセージ

「見積書は価格を決めるだけの紙」ではなく、「自社の技術力・適正経費を証明するプレゼン資料」です。標準見積書で適正な取引慣行を確立し、持続可能な経営を実現しましょう。

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