瓦礫の下から救い出された命
昨日は石川県ボーイスカウト連盟から珠洲市へ能登地震における被災者の精神的ケアを支援をしようと、ボランティアに伺ってきました。正院町という珠洲市でも被害の大きかった地区の一つで、被災者の皆さんが仮設住宅に一年以上いるような方が多い。そこの集会所でお話を聞くために、ぬり絵や折り紙なども準備をし、朝9時からお昼3時半ごろまで活動を行いました。私が直接お話しできたのは、84歳のおばあさんと、78歳のおじいさんのお2人でした。
84歳のおばあさんは15歳の時に金沢市に出てきて5年間仕事をやって、24歳で旦那さんと結婚をし、珠洲で女性で初めて車の免許を取って運転をしていたこと。そして、珠洲市では5件ほどしかなかった電話を引いていた事。また、昔は裕福な暮らしをできたということを何度も何度も・・・。結果として6回話をしてくれました。ご主人も亡くなられたご様子で、見た目はしっかりとしているように見えましたけれども、とにかく話を聞いてほしいの一心のご様子でした。
また78歳の男性は14時30分に来られ、「15時までだけども、ぜひ入ってください」と話をしますと、「30分だけ話をしたいから」といって入ってこられました。乳牛農家をコロナ前までされていらっしゃり息子さんがベトナムの女性と結婚をして、珠洲市でお菓子屋さんをやっていると楽しそうに話をされていらっしゃいました。そして15分ほど話をされた後に、なんと地震の時は瓦礫から助けられたんだとショッキングな話をされ始めました。
昨年の地震の時に1回目の地震があった時に「2回目が来るぞ!!」と言って、帰省をされていた娘さんと一緒に食卓の下に潜り込んだ、その直後に2回目が起き、2階が吹き飛んで1階が潰れ、その下敷きになったということでした。瓦礫の下で一晩を過ごしたらしいですけど、高台に逃げていた息子さんがベトナムの奥さんが「瓦礫の下に必ず父親がいるから」と消防団の人に強く申し入れ、無事助け出されたということでした。また、そのおじいさんの奥様は、大きな冷蔵庫と瓦礫の間に挟まれたために、腕に大きな怪我をされましたけど、おじいさんがそれを見つけ、奥さんも助かり、今はリハビリを大阪の娘さんのもとで受けているとおっしゃっていました。
おそらくおじいさんはこうして他人に話ができるようになるには時間もかかったと思います。ですが、今はこうして話をすることで能登の震災を忘れないでほしいという思いと、話をすることで、ご自身もお元気になるんだろうなと、そんなふうに思いました。
そして何よりも私自身も本当に元気づけられた、そんな一日となりました。