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建設業の2024年問題とは?時間外労働の上限適用の課題・対処法を紹介

2023.09.29
法・制度

2024年問題とは、2024年4月1日以降、建設業の時間外労働時間を年360時間に制限することにより生じる問題の総称です。

これまで建設業では、残業時間の上限規制の適用に猶予がありましたが、2024年4月よりこの猶予が廃止されます。労働時間を減らさなければならない中、原価の高騰に加えて人手不足が懸念され、経済活動や生活にも幅広い影響が見込まれます。

働き方改革関連法の内容をおさらい

政府の成長戦略と位置づけられた働き方改革関連法の成立で、2019年4月(中小企業は2020年4月)から時間外労働に上限が設けられました。しかし、業界慣行に配慮して、物流業、建設業は適用が5年間猶予されていました。

出典:厚生労働省「働き方改革関連法等について」

補足:働き方改革関連法案について

働き方改革関連法は、働く人々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を実現できることを目的に、従来の労働関係の法律に加えられた通称のことであり、働き方改革関連法という法律が新たに制定された訳ではありません。

近年、少子高齢化に伴う労働力不足の減少で長時間労働が可能な働き手が減少していることや育児や介護との両立が必要な労働者への対応が遅れていることを背景として、2018年6月に改正法が成立し、2019年4月から段階的に施行されています。

 労基法改正(時間外労働時間の上限)とは

働き方改革の一環として、労働基準法が改正され、2019年4月(中小企業は2020年4月)から時間外労働の上限が法律で規定されています。建設業では業界慣習を考慮して5年間猶予されていましたが、2024年4月1日以降は他業種と同じく時間外労働の上限規制が適用されます。

時間外労働時間の上限

時間外労働の上限は原則として月45時間、年360時間で、特別な事情がない限りこれを超えることはできません。臨時的な特別な事情がある場合でも、単月で100時間未満、複数月平均80時間以内、年720時間以内に収める必要があります。

違反した場合、6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

出典:厚生労働省「働き方改革関連法等について」

○原則として月45時間、年360時間(限度時間)以内
○臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間以内(休日労働含む)、限度時間を超えて時間外労働を延長できるのは年6ヶ月が限度

※労働基準法では、労働時間は1日8時間、週40時間までと決まっており、これを超える場合は36協定の労使締結が必要とされています。

建設業での時間外労働時間の適用については、一部特例付きで適用されます。

一部特例の内容

一般則を適用、ただし、災害時における復旧・復興の事業については、複数月平均80時間以内・1か月100時間未満の要件は適用しない

※この点についても、将来的な一般則の適用について引き続き検討されます。

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36協定の労使締結

労働基準法では、労働時間は原則として、1日8時間・1週40時間以内とされています。これを「法定労働時間」といいます。また、休日は原則として、毎週少なくとも1回与えることとされています。これを「法定休日」といいます。

厚生労働省「建設業 時間外労働時間の上限規制 わかりやすい解説」

従業員に時間外労働を行わせるためには、36協定の締結・申請が必要です。

36協定を締結せずに、または締結しても届出せずに時間外労働をさせた場合や、36協定で定めた時間を超えて時間外労働をさせた場合には、6か月以下の懲役、または、30万円以下の罰金となります。

また、36協定で定めた時間に関わらず

・時間外労働と休日労働の合計時間が月100時間以上となった場合
・時間外労働と休日労働の合計時間について、2~6か月の平均のいずれかが80時間を超えた場合

にも違反となります。

時間外労働がある場合の必要な対応

〇労働基準法第36条に基づく労使協定(36(サブロク)協定)の締結 
〇36協定の所轄労働基準監督署長への届出

36協定締結に必要な事項

<限度時間を超えない場合の36協定届 (様式第9号)>

✓協定の有効期間
✓時間外労働をさせる必要のある具体的事由
✓業務の種類
✓労働者数(満18歳以上の者)
✓延長することができる時間数
✓労働をさせることができる法定休日の日数

<限度時間を超える場合の36協定届 (様式第9号の2)>

上記に加えて、時間外労働・休日労働に関して具体的に定める必要があります。

✓臨時的に限度時間を超えて労働させることができる場合
✓業務の種類
✓限度時間を超えて労働させることができる回数
✓延長することができる時間数及び休日労働の時間数
✓限度時間を超える労働者への健康福祉確保措置
✓限度時間を超えた場合の割増賃金率
✓限度時間を超えて労働させる場合における手続
✓限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置

厚生労働省では、36協定届の記載ポイントを動画で案内しています。また、36協定届出のフォーマットも配布されていますのでこれから届出を考えている方はぜひ参考にしてください。

➾厚生労働省「時間外労働の上限規制」専用ページはこちら(外部サイトへリンクします)

時間外労働に対する割増賃金

労働基準法の改正により、1ヶ月あたり60時間を超える時間外労働に対する割増賃金が50%増になっています。(図1参照)

以前は、中小企業は25%増・大企業は50%増でしたが、2023年4月1日からは中小企業の割増賃金も50%増になりました。残業時間をしっかりと把握・管理して、割増賃金の算出・支払いへ対応することも求められます。

出典:厚生労働省「働き方改革関連法等について」

時間外労働時間の上限により懸念される問題点

時間外労働の上限規制により起こる問題にはどのようなものがあるでしょうか。

建設作業員の時間外労働時間が年間360時間に制限されることで、一人当たりの作業時間が短くなり、結果工期が長くなると懸念されています。その結果、こなせる工事数が減るために企業の売上減少が考えられます。

他にも、残業代が減少するために社員のモチベーションが下がり離職率の上昇につながる可能性もあります。

時間外労働の上限規制による懸念

<企業目線>

・作業時間が短くなる=工期が長くなり、できる工事数が減る=建設会社の利益の減少
・会社の利益が減る=作業員の給与の減少、それに伴う離職=人手不足

<従業員目線>

・給与(残業代含む)が減る=モチベーションの低下、それに伴う離職
・従業員の労働時間減少=業務量が変わらない場合、管理職の負担増

建設業の対応

このような問題に対応するためには、人材確保や業務効率化、問題の浸透などに勤めることが大切です。また、公共工事・民間工事を問わず、契約当事者が適正な工期の確保に向けた、それぞれの責務を果たすことが重要とされています。

発注者の責務

・建設業への時間外労働の上限規制の適用に向けた労働環境を整える
・各工程に後れを生じさせるような事象等について受注者から報告を受けた場合、受発注者間で協議して必要に応じて契約変更を行う

受注者の責務

・長時間労働や週休2日の確保が難しいような工事を行うことを前提とする、著しく短い工期となることのないよう、受発注者間および元請・下請間で適正な工期で請負契約を締結する

建設業での取り組み事例

下記に建設業での課題解決への取り組み事例を紹介しますので、参考にしてください。

時間外労働の削減に対する取り組み例

・新規打ち合わせに費やす時間を削減するため、過去の実績をもとに顧客との対話をモデル化&プラン化
・時間外労働時間の削減結果や有給休暇取得結果を見える化して社内共有
・4週8休工程調整会議を現場内で開催
・4週8休となるように発注者へ働きかけを行う
・ノー残業デーの施行
・多忙な部門の業務を他部門とシェア

生産性の向上による処遇改善への取り組み例

・工事の受注基準を見直し、無理のない工期を設定
・現場のICT化により、人材不足解消や安全確保、作業効率アップ
・職場全体で業務を補完する体制を整え、仕事の属人化を防止
・休暇取得推進や残業なしなどの経営方針への理解を顧客に求める
・社員定着につながる職場環境の構築
・社内保育所の新設などの女性の雇用環境の改善
・仕事の悩みを相談できる環境づくり
・人事評価と給与体系の見直し
・ユニフォームの見直しにより、悪天候での作業中断が無くなり、効率アップ
・業務支援システムの導入により、業務効率化、生産性向上

幅広い人材活用への取り組み例

・現場監督の労働時間削減のため、現場監督の書類作成業務を担う建設ディレクターや現場支援チームを創設
・働く意欲の高い社員の仕事復帰を支援
・従業員全員を正規雇用とし、人材定着を促進
・新入社員一人に先輩社員一人がつく研修制度の採用
・定年廃止により、安心して働き続けられる環境が整い、従業員のモチベーションアップに
・再雇用契約制度により、他社の経験者を採用
・建設現場でのICT技術を活用することで、新たな人材の入社動機に

テレワークの推進への取り組み例

・書類の電子化を推進し、どこからでもサーバにアクセスできる環境を構築
・チャット、リモート会議、スケジュール管理アプリの活用で情報共有
・テレワーク導入により、全国からの人材募集が可能に
・社内をクラウド化することにより、情報共有を推進、生産性向上
・WEB会議やドローン活用による工事進捗管理などIT技術の活用

業務支援システム導入への取り組み

・間接業務の効率化、生産性向上のため、労働時間の管理・賃金計算等をシステム管理
・有給休暇残日数の管理・消化漏れを未然に防ぐため、勤怠管理システムを導入
・勤怠管理システム導入により、残業時間上限の警告措置に対応
・スマホで使用できる勤怠管理アプリを導入し、現場から打刻・日報を送信することで、移動の負担を軽減

多様な休暇制度への取り組み

・長期治療の際の休暇を拡大
・地域や子の学校行事に参加できる休暇を設定
・リフレッシュ休暇を設定
・休暇取得カードを利用して、残休暇日数を把握
・時間単位の年休制度を創設し、時間外労働ゼロ、年休取得率100%を達成

業務特性上、長時間労働の傾向がある建設業界でも労働時間削減を目指した働き方改革関連法の施行時期が迫っています。労働環境が改善される反面、2024年問題と呼ばれる負の側面もあるのが事実です。

皆さんの企業もすでに準備されているかと思われますが、他社の事例なども参考にしていただき、今後もより良い働き方ができる環境整備をお願いいたします。

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